90坪アパートの建築費相場を徹底比較!木造・鉄骨・RC別コスト早見表

超高利回りアパート投資の秘密
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監修者

株式会社Riel 代表取締役
坂口 卓己(サカグチ タクミ)

宅地建物取引士として年間57棟の販売実績を誇り、東京都渋谷を拠点に新築アパートの企画開発から資金計画、満室運営、出口戦略まで一貫支援。豊富な現場経験と最新市況データを融合し、信頼とスピードを重視したサービスで投資家一人ひとりに最適な資産形成プランを提案する不動産投資のプロフェッショナル。
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90坪の土地は、アパート経営において多様な可能性を秘めた魅力的なスケールです。しかし、その規模ゆえに建築費は高額になり、事業計画の精度が成否を直接左右します。表面的な情報だけで判断すると、思わぬコスト増や将来のキャッシュフロー悪化を招きかねません。

本記事では、そのような失敗を避けるため、90坪のアパート建築に特化し、最新の建築費相場から、法規制をクリアした上での具体的な間取りプラン、失敗しないための資金計画、そして収益性を最大化するプロのテクニックまで、投資家が知るべき全情報を深く掘り下げて解説します。

目次

90坪アパート建築費の目安と費用内訳

90坪のアパート建築費は、構造や仕様により7,000万円〜1.5億円以上と大きく変動します。木造なら比較的安価ですが、RC造は高額になります。重要なのは、建物本体だけでなく、付帯工事費や諸経費を含めた「総事業費」で計画することです。内訳を理解し、精度の高い資金計画を立てましょう。

構造・階数別の坪単価早見表

アパートの骨格となる構造選びは、コスト、法定耐用年数(=融資期間に影響)、そして入居者の住み心地を左右する重要な決断です。それぞれの特性を深く理解しましょう。

構造・階数・坪単価の目安 比較表

構造階数坪単価の目安
木造(W造)2階建て70万円~90万円
軽量鉄骨造(S造)2階建て80万円~100万円
重量鉄骨造(S造)3階建て90万円~110万円
鉄筋コンクリート造(RC造)3階建て以上100万円~130万円

構造・階数別 坪単価と特徴の詳細

木造(W造)

  • 階数: 2階建て
  • 坪単価の目安: 70万円~90万円
  • 特徴
    建築コストを最も抑えられ、日本の気候に適しています。ただし、法定耐用年数が22年と短いため、融資期間に影響が出ることがあります。遮音性が課題となるため、石膏ボード二重貼りや界壁への遮音材充填などの対策が、物件の競争力を維持する上で不可欠です。

軽量鉄骨造(S造)

  • 階数: 2階建て
  • 坪単価の目安: 80万円~100万円
  • 特徴
    工場で生産された部材を現場で組み立てるため、品質が安定し工期が短いのが魅力。法定耐用年数は骨格材の厚みによりますが27年(3mm超4mm以下)と木造より長く、融資面で有利になることがあります。ハウスメーカーの主力商品もこの構造が多いです。

重量鉄骨造(S造)

  • 階数: 3階建て
  • 坪単価の目安: 90万円~110万円
  • 特徴
    頑丈な骨格により、柱の少ない大空間や店舗併用など、設計の自由度が高いのが強みです。法定耐用年数も34年と長く、資産価値を維持しやすいです。ただし、基礎工事が大掛かりになるため、コストは木造・軽量鉄骨造より明確に上がります。

鉄筋コンクリート造(RC造)

  • 階数: 3階建て以上
  • 坪単価の目安: 100万円~130万円
  • 特徴
    耐久性・耐火性・遮音性の全てに優れ、入居者からの人気も高く、家賃も高めに設定できます。法定耐用年数も47年と最も長く、長期的な資産形成に最適です。一方で、建築費が最も高額で工期も長いため、初期の自己資金やキャッシュフロー計画を綿密に立てる必要があります。

本体工事以外に必要な諸経費リスト

「坪単価×延床面積」で計算できるのは、あくまで建物本体の工事費です。実際には、それ以外に総工費の2~3割を占める以下の費用がかかります。

付帯工事費(総工費の約15~20%)

  • 地盤調査・改良工事
    必須の地盤調査(5万~25万円程度)の結果、地盤が軟弱な場合は改良工事(50万~200万円以上)が必要になります。
  • 上下水道・ガス管の引き込み工事
    敷地前面の道路から管を引き込む工事。道路の状況や距離により100万円を超えることも珍しくありません。
  • 外構・駐車場工事
    アスファルト舗装、フェンス、植栽など。アパートの第一印象と利便性を決める重要な部分で、200万円以上かかることもあります。
  • 解体工事
    古家がある場合、木造で坪4~5万円程度の解体・撤去費用が発生します。

諸経費(総工費の約5~10%)

  • 税金(不動産取得税、登録免許税など)
    建築後に発生する税金。忘れていると資金計画が大きく狂います。
  • 登記費用
    司法書士へ支払う報酬と実費。所有権や抵当権を法的に確定させるために必須です。
  • アパートローン関連費用
    金融機関に支払う事務手数料や保証料で、借入額の2%前後が目安です。
  • 火災保険料・地震保険料
    万一の事態に備える必須の保険。10年契約で数十万円単位の費用がかかります。

建築コストを決める5つの要素と削減ヒント

建築コストは、以下の5要素を理解することで、戦略的にコントロールすることが可能です。

  1. 構造の選択
    上記の通り、建物の骨格。長期的な減価償却や融資期間にも影響するため、目先のコストだけで選ぶのは危険です。
  2. 建物の形状
    最もコスト効率が良いのは、凹凸のないシンプルな長方形(総二階建て)です。複雑な形状は、外壁面積や屋根の施工、足場の設置効率が悪化し、コストを押し上げます。
  3. 内外装のグレード
    全てを高級仕様にする必要はありません。物件の「顔」となるエントランスや外観の一部にコストをかけ、居室内の建材は耐久性とコストのバランスが取れた標準品を選ぶのが賢明です。
  4. 設備の仕様
    入居者アンケートなどでニーズの高い設備(無料高速インターネット、宅配ボックス、独立洗面台など)は優先的に投資し、使用頻度の低い高価な設備(床暖房など)は費用対効果を慎重に見極めます。
  5. 建築エリアと工法
    都心部では人件費が高騰する傾向があります。また、工法によってもコストは変動するため、複数の施工会社に提案を求め、比較検討することが重要です。

90坪で実現できるアパート規模とプラン例

90坪の敷地があれば、単身者向けからファミリー向けまで幅広いアパートプランが実現可能です。その土地のポテンシャルを最大限に引き出すため、まずは建築可能な建物の規模を正確に把握することから始めましょう。

建ぺい率・容積率から算出する延床面積の上限

建てられるアパートの最大規模は、土地ごとに定められた「建ぺい率」と「容積率」で決まります。これらは、無秩序な開発を防ぎ、住環境を守るための重要なルールです。

【計算シミュレーション例】

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項目条件計算結果と専門家メモ
敷地面積90坪(約297㎡)
建ぺい率60%建築面積の上限: 54坪(約178㎡)
※角地緩和(+10%)などの緩和措置が適用される場合があります。
容積率200%延床面積の上限: 180坪(約594㎡)
※前面道路の幅員が12m未満の場合、幅員に応じた容積率制限がかかるため注意が必要です。

※これらの数値は、必ず役所の都市計画課などで「用途地域」と合わせて確認してください。

2階建て・3階建てごとの戸数シミュレーション

確保できる延床面積を、どうフロアに配分し、いくつの部屋を作るかシミュレーションします。3階建て以上にする場合、エレベーターの設置(設置費500万円前後、維持費年間20~30万円)を検討する必要があり、コストと戸数計画に大きく影響します。

階数・間取り別 戸数シミュレーション(延床140坪の場合)

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階数間取りタイプ広さの目安想定戸数ターゲットと戦略
2階建て1K約8坪16〜17戸学生や単身社会人向け。戸数を増やし、回転率で収益を上げる戦略。
2階建て1LDK約12坪11〜12戸カップルや新婚夫婦向け。居住期間が長くなる傾向があり、安定経営に繋がる。
3階建て1K約7坪20戸前後駅近など利便性の高い土地で戸数を最大化する戦略。EVの有無が家賃に影響。

単身向け〜ファミリー向け間取りベストプラクティス

成功する間取りは、ターゲット層のライフスタイルを深く理解し、半歩先のニーズを捉えています。

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ターゲット層間取り例広さの目安喜ばれるポイント・設備(プロの視点)
単身者1K・ワンルーム25㎡前後在宅ワークに対応できるカウンターやコンセント配置。独立洗面台はもちろん、少し広めの浴室(1216サイズなど)も差別化に。
カップル1LDK40㎡前後12畳以上の開放的なLDKと、収納力のあるウォークインクローゼット(WIC)は必須。テレワーク用に個室化できるスペースがあるとさらに良い。
ファミリー2LDK60㎡以上豊富な収納(土間収納やパントリー)、リビング学習に対応できるスタディカウンター、家族分の自転車が置ける屋根付き駐輪場など、生活の質を高める工夫が求められる。

着工前に押さえる法規制と設計チェックポイント

アパート建築では、建築基準法や都市計画法など、様々な法規制をクリアする必要があります。設計段階でこれらの規制を確実にチェックし、手戻りのないスムーズな建築プロセスを実現しましょう。

  • 接道義務
    敷地が幅員4m以上の道路に2m以上接しているか。満たさない場合、原則建築不可です(43条但し書き許可などの例外規定あり)。
  • 高さ制限
    用途地域ごとに定められた建物の高さの上限(10m, 12mなど)をクリアしているか。
  • 斜線制限
    道路や隣地、北側隣地の日照・通風を確保するための高さ制限です。天空率などの緩和規定をうまく活用できる、経験豊富な設計士を選ぶことが重要です。
  • 用途地域
    アパート建築が可能な地域か。「第一種低層住居専用地域」は制限が厳しく、共同住宅の建築が難しい場合があります。
  • 防火地域の指定
    駅前や幹線道路沿いに多い「防火地域」「準防火地域」では、燃えにくい構造(鉄骨造やRC造)が必須となり、コストに大きく影響します。
  • 駐車場・駐輪場の設置義務
    自治体の条例で定められた台数を確保できるか。特に駐車場は、必要な通路や切り返しスペースを含めるとかなりの面積を要するため、1階部分をピロティ形式にするなどの工夫が必要です。

90坪アパートの収益シミュレーションと資金計画

90坪アパートは投資額が大きくなるため、感覚的な計画ではなく、数字に基づいた精密な収益シミュレーションが不可欠です。長期的に安定した経営の土台を築きましょう。

初期投資と年間家賃収入モデルの作り方

現実的な収益性は、以下のステップで算出します。

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初期投資の総額を算出する

「建築費+付帯工事費+諸経費」の合計額を正確に把握します。概算ではなく、業者からの見積もりを基に算出しましょう。

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年間の実質収入(NOI)を算出する

満室時想定家賃収入から、空室損(5~10%)と運営経費(固定資産税、管理委託料、保険料、修繕積立金など。家賃収入の15〜20%が目安)を差し引きます。これが、不動産の純粋な収益力を示す営業純利益(NOI)です。

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各種利回りを計算し、事業性を判断する
  • 表面利回り(満室時家賃収入 ÷ 総投資額)
    手軽な指標ですが、経費が未考慮なため参考程度に。
  • 実質利回り(NOI ÷ 総投資額)
    より現実に近い収益力を示す重要な指標。これがローン金利を十分に上回っているか(イールドギャップ)を確認します。

利回りを高める設備投資と差別化戦略

競合物件との差別化を図り、利回りを高めるには、戦略的な設備投資が有効です。

必須レベルの設備
無料高速インターネット(今や水道・電気と同じインフラ)、大型の宅配ボックス、オートロック&防犯カメラ

差別化を図る付加価値

  • ペット共生仕様…足洗い場や専用の床材、ドッグランなど、徹底することで高い付加価値に。
  • 大型バイクガレージ…趣味性の高い層に強く訴求でき、高めの家賃設定が可能。
  • エネルギー効率化…ZEH-M(ゼッチ・マンション)認定を受けることで、光熱費削減をアピールでき、補助金や税制優遇の対象になることも。

金融機関別融資条件とキャッシュフロー改善策

アパートローンは、金融機関によって金利、融資期間、審査のスタンスが大きく異なります。

相談先の例と特徴

  • メガバンク・地方銀行
    金利などの条件面で有利だが、申込者の属性や物件の担保評価を厳しく見る傾向。
  • 信用金庫・信用組合
    地域密着型で、事業計画や将来性を評価し、柔軟な対応が期待できる。
  • 日本政策金融公庫
    政府系金融機関で、比較的低い固定金利で借りられる。初めての事業でも相談しやすい。
  • 交渉のポイント
    精度の高い事業計画書(収支シミュレーション、市場調査、自己資金計画など)を準備し、複数の金融機関に打診して条件を比較することが、最も有利な条件を引き出す鍵となります。

建築費を抑えながら価値を高める施工・運営の工夫

アパート経営の成功は、建築費をいかに抑え、同時に物件価値を最大化できるかにかかっています。コストと価値のバランスを最適化する視点が不可欠です。

規格型プラン+部分カスタムで設計費を節約

設計費を抑える最も効果的な方法は、ハウスメーカー等が持つ「規格型プラン」を活用することです。ゼロから設計するフルオーダーに比べ、設計コストを大幅に削減できます。ただし、完全に規格通りでは他物件との差別化が難しいため、間取りは規格プランをベースにしつつ、外観デザインや内装、設備の一部をカスタマイズする「セミオーダー方式」がおすすめです。

施工会社の実績比較と相見積もりの活用術

信頼できる施工会社を選ぶための手順です。

STEP
アパート建築実績が豊富な会社を3~5社リストアップする

戸建て専門の会社ではなく、共同住宅の施工経験が豊富な会社を選びましょう。

STEP
全社に同じ条件・要望を伝え、見積もりを依頼する

条件を揃えることで、初めて正確な価格比較と提案力の比較が可能になります。

STEP
金額だけでなく、見積もりの詳細、提案内容、実績を比較する

「一式」という項目が多い見積もりは要注意。何にいくらかかるのか、詳細な内訳を求めましょう。

STEP
経営状態やアフターサービスも確認し、総合的に判断する

安さだけで選ぶと、後々のトラブルに繋がりかねません。長期的なパートナーとして信頼できる会社を選びましょう。

長期修繕計画でランニングコストを最小化

アパート経営は建てて終わりではありません。10〜15年周期で発生する大規模修繕(外壁塗装、屋上防水など)は、数百万〜一千万円単位の大きな支出となります。建築時に、初期費用は多少高くても、耐久性の高い外壁材(タイルや高グレードサイディングなど)や屋根材を採用することで、修繕周期を延ばし、長期的なライフサイクルコスト(LCC)を大幅に削減できます。

成功事例|90坪でも高収益を実現したオーナーの取り組み

90坪の土地でも、優れた戦略と工夫があれば、市場平均を上回る高収益アパートを創り出すことは可能です。

立地の弱点をデザインで補ったケース

駅から徒歩15分という弱点を、コンクリート打ちっ放しの外観と無垢材フローリングという高いデザイン性でカバー。デザインを重視する層にターゲットを絞り、相場より高い家賃でも満室を維持。

共用部グレードアップで家賃アップしたケース

ホテルのような内廊下設計や、入居者専用のフィットネススペースなど、共用部に投資。専有部の広さは同じでも、近隣物件より高い家賃での成約を実現し、物件全体の価値を向上。

自主管理と委託管理を組み合わせたハイブリッド経営例

専門性の高い入居者募集や家賃集金、クレーム対応は管理会社に委託。一方、日常的な清掃や簡単な巡回は自身で行うことで管理費を削減し、経営への当事者意識も維持。

⇒実際の成約事例はこちら

よくある質問Q&A|90坪アパート建築費と経営の疑問解消

アパート建築を検討する中で、誰もが抱く疑問や不安にお答えします。

建築期間はどれくらいかかる?

設計や各種申請に半年~1年、工事に半年~1年半程度、トータルで1年半~2年以上を見込むのが一般的です。特にRC造は工期が長くなる傾向があります。入居者が見つかりやすい春(1~3月)に合わせて完成できるよう、逆算してスケジュールを立てることが重要です。

固定資産税や修繕積立金はいくら見込むべき?

固定資産税・都市計画税は、「課税標準額×税率」で決まりますが、年間で建築費の0.3〜0.5%程度が目安です。新築住宅には3年間(RC造等は5年間)の減額措置があります。修繕積立金は、将来の大規模修繕に備え、家賃収入の5〜10%を毎月積み立てておくのが理想的です。これらは必ず運営経費として計画に含めてください。

空室リスクを減らす最新の入居者募集方法とは?

従来の不動産情報サイトに加え、物件の魅力を伝えるショート動画(ルームツアーなど)をSNS(InstagramやTikTok)で発信するのが効果的です。また、信頼できる管理会社をパートナーに選び、退去から次の入居までの期間(ダウンタイム)をいかに短縮できるかが、収益に直結する重要なポイントになります。

まとめ|90坪アパート建築費を最適化して高収益物件を目指そう

90坪のアパート建築は、大きな投資であると同時に、大きなリターンを生む可能性を秘めた事業です。成功の鍵は、建築費を単に削減するのではなく、土地のポテンシャルと入居者ニーズに合わせて「最適化」することにあります。法規制を遵守し、精密な収支計画を立て、設計・施工・運営の各段階で賢い選択を重ねることで、長期的に安定した収益をもたらす高価値な資産を築くことが可能です。

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この記事を書いた人

株式会社Rielメディア&SNS戦略事業部は、高利回り新築アパート投資の専門情報を発信するブログと公式SNSを運営。市場動向や成功事例、資金計画のコツをわかりやすく届け、オーナー候補と入居者双方の信頼を育むとともに、SEOとデータ分析でリード獲得を最大化。さらに、コンテンツマーケティングと動画施策でブランド価値を高め、コミュニティ形成を支援します。

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