【2025年最新版】アパートの人気設備ランキング｜必須＆家賃アップ設備を完全解説

株式会社Riel　代表取締役
坂口 卓己（サカグチ タクミ）

宅地建物取引士として年間57棟の販売実績を誇り、東京都渋谷を拠点に新築アパートの企画開発から資金計画、満室運営、出口戦略まで一貫支援。豊富な現場経験と最新市況データを融合し、信頼とスピードを重視したサービスで投資家一人ひとりに最適な資産形成プランを提案する不動産投資のプロフェッショナル。
⇒詳細はこちら

新築アパートの競争力は“設備の選び方”で決まります。必須設備で選外を防ぎ、付加価値設備で家賃プレミアムを狙い、ターゲットと立地に合わせて導入順序を最適化しましょう。この記事では2025年の傾向を踏まえ、人気の設備と投資配分・工事難易度・運用ルールまでを㈱Rielがわかりやすく解説します。

アパートの入居が早まる「人気設備」完全ガイド

入居率を底上げする最短ルートは、まず“検索で外されない必須設備”を網羅し、次に差別化できる付加価値設備を足す二段構えです。立地や入居像により優先順位は変化するため、最初に全体像を俯瞰し、どこに投資するかを地図化しておくとブレません。

• 必須で“選外防止”、付加価値で“家賃上振れ”
• 立地と入居像で優先順位を調整
• 年次点検で写真と訴求を更新

2025年アパート設備の全体像

区分	代表設備	主な効果
必須	エアコン／室内洗濯機置場／モニターインターホン	検索除外回避・内見率↑
付加価値	ネット無料／宅配ボックス／浴室乾燥	家賃プレミアム
トレンド	ペット設備／ガレージ／ワークスペース	長期入居・差別化

単身・ファミリー・立地（都市／郊外）で優先順位はこう変わる

単身は通信品質と防犯、ファミリーは水回りと収納の影響が大きい傾向です。都市部は宅配ボックスやオートロックが効き、郊外は駐車場や屋外物置が評価されます。同じ設備でも“誰に・どこで”が変われば費用対効果が逆転するため、優先順位はターゲット×立地で必ず分けて設計しましょう。

「これが無いと決まらない」必須設備の最適解

必須設備は欠けると検討テーブルから外れる要素です。新築では標準搭載、築古では優先改修で早期に穴を埋めることが、表示回数・内見率の安定につながります。

単身向けの必須｜エアコン／室内洗濯機置場／TVモニター付きインターホン

生活インフラの不満は離脱に直結します。エアコンは即戦力、室内洗濯機置場は家事導線、TVモニターは来客時の安心感を担保。この三点が揃うだけで“減点”が起こりにくく、同家賃帯での比較に耐える土台が作れます。

ファミリー向けの必須｜エアコン／独立洗面台／追い焚きの安心感

家族の同時利用を想定すると、朝夕の混雑を緩和する独立洗面台と、入浴時間の自由度を高める追い焚きは満足度を押し上げます。水回りの清潔感は写真の第一印象を大きく左右し、内見意欲の差となって現れます。

セキュリティ必須｜オートロックと共用部カメラの導入基準

駅近ほど来訪者が増えるため、オートロックと録画型カメラの併用で抑止と可視化を両立します。共用灯の照度設計や死角の解消まで含めて“体感安全度”を設計すると、口コミ低下や長期空室を防げます。

後付けが難しい設備は“建築・大規模修繕”で一気に整える

追い焚きや幹線の高速インターネット、宅配ボックスの電源など配管・配線系は、足場を組む工事と同時に実施すると復旧費を抑えられます。小出しよりも年次計画でまとめるほうが、工期短縮とコスト最適化に繋がります。

後付け難易度と実施タイミング

設備	難易度	推奨タイミング	主要留意点
追い焚き	高	大規模修繕時	配管・給湯器要件
ネット幹線	中	入替更新時	共用配線・電源容量
照明入替	低	退去〜募集期間	色温度統一・撮影映え

家賃プレミアムを生む「付加価値設備」戦略

付加価値設備は“比較で選ばれる理由”。費用対効果の高い順に導入し、写真と募集文で強調すると、単価アップと募集期間短縮の両立が可能です。

インターネット無料＆高速回線｜空室対策と原価管理のバランス

集合回線に各戸Wi-Fiを組み合わせ、夜間ピークの帯域をモニタリングできる事業者を選ぶとクレーム低減に直結します。1Gbps以上の訴求は動画視聴需要と相性がよく、家賃上振れの余地が広がります。

宅配ボックス｜共用部で実現する利便性×防犯性

再配達の削減と非対面受取の安心が評価を押し上げます。サイズ別のボックス構成と照度・カメラのセット導入で盗難抑止を明確化し、満杯時の運用ルールを掲示することで満足度を安定させましょう。

浴室乾燥機・追い焚き｜水回りアップグレードの費用対効果

雨天の洗濯や子育て世帯の時短と直結するため、比較表で強い訴求点になります。追い焚きは給湯器の仕様を事前確認し、光熱費の目安と合わせて提示すると納得感が高まります。

システムキッチン・独立洗面台｜見学時に刺さる“映え”要素

キッチンは天板・水栓、洗面は三面鏡・収納量で“使える”が伝わります。照明の色温度を統一し、手元の明るさを確保した写真を用意すると、同条件の競合よりクリック率が上がります。

ガレージ・大型ストレージ｜趣味ニーズで賃料差別化

EV充電やバイク・自転車のメンテなど“推し活”収納は希少性が武器です。専用区画や工具置き場を写真で可視化すると、検索ヒットと内見誘導の双方が改善します。

費用対効果ランキング（概念）

順位	設備	初期費	家賃UP目安	回収速度
1	ネット無料（1Gbps）	中	+2,000〜3,000円	速い
2	宅配ボックス	中	+1,000〜2,000円	中
3	浴室乾燥	中	+1,000円前後	中

設備カルテ

設備名	導入目的	写真で映える点	クレーム予防
宅配ボックス	再配達削減・非対面受取	ボックス＋照度＋カメラを同一画角で	滞留時間・満杯時の運用掲示

ニーズ急伸の「ペット対応」とライフスタイル提案

同居需要や共働きの増加で、ペット設備・趣味空間・ワークスペースの評価が上昇中です。設備・規約・臭気騒音対策をセットで設計すれば、入居期間の長期化と退去時コストの平準化を同時に達成できます。

ペット用設備｜足洗い場／飛び出し防止柵／防臭床材

散歩後の動線に足洗い場、玄関の飛び出し防止柵、におい対策の床材を組み合わせると、心理的ハードルが下がります。“におい対策済み”を写真キャプションで明示すると、検索からのクリック率も上がります。

ペット共生型賃貸の募集要件と規約設計（トラブル未然防止）

頭数・体重・しつけ証明、共用動線のルール、時間帯の運用など、入居前の合意が肝心です。敷金積み増しやクリーニング料の明示で原状回復の不確実性を減らし、長期入居と紹介獲得につなげます。

土間・アウトドアリビング・ワークスペース｜余白が生む付加価値

道具を置ける土間、半屋外のアウトドアリビング、集中できる小さなワークスペースは“使い道の想像”を促します。固定化しすぎず可変性を残すことで、広く支持を得やすくなります。

ペット設備の推奨セット

課題	設備	運用ルール例
散歩後の汚れ	共用足洗い場	使用時間と清掃手順を掲示
におい	防臭床材／24時間換気	消臭剤設置場所と交換頻度を明記

立地・ターゲット別の優先順位マップ

商圏の働き方、学区、車保有率などで“効く設備”が変わります。ターゲット×立地のクロステーブルで自物件の枠を即時特定し、投資の優先度を確定すると判断が速くなります。

都市部（駅近・職住近接）で効く設備、郊外（駐車中心）で効く設備

都市部は宅配ボックス・オートロック・高速ネットで反響が安定。郊外は駐車2台目や屋外物置、EV充電が評価され、敷地設計が競争力になります。どちらも“ごみ置場の清潔感”は写真で差が出る重要ポイントです。

単身／DINKs／子育て世帯で変わる“刺さるポイント”

単身は通信・防犯、DINKsはキッチン・収納、子育て世帯は水回り・音対策が決め手。クリック→内見→申込のボトルネックを分解し、訴求順を最適化するだけで、同じ設備でも費用対効果が改善します。

地域特性：降雪・多湿エリアの設備最適化（断熱・換気・乾燥）

雪国は断熱と結露対策、沿岸や多雨地域は浴室乾燥と24時間換気の実効性が鍵。室内干し動線や収納の組み合わせまで含めて設計すると、生活感の上質化が写真から伝わります。

ターゲット×立地の優先設備

ターゲット	都市部	郊外
単身	ネット無料・宅配ボックス	駐車場・防犯
ファミリー	独立洗面台・追い焚き	浴室乾燥・物置

コストと家賃UPの関係を数値で判断

“導入費÷月次の上振れ”だけでなく、空室期間短縮や解約率の変化を含めたIRRで意思決定すると、資金配分の精度が上がります。金融機関説明にも有効です。

設備別の導入費・耐用年数・メンテ費の目安

ネット設備は初期工事＋月額保守、宅配ボックスは筐体＋電源＋基礎、浴室乾燥は電源容量と換気経路がコストドライバー。耐用年数と延長保証の有無を押さえると、ランニングのブレを抑えられます。

家賃UP幅と回収期間（IRR／キャッシュフロー）を簡易シミュレーション

導入前後の家賃差に、募集日数短縮と広告費削減を加味すると現実的な回収像が見えます。長期入居化の効果も含めれば、付加価値設備のIRRはさらに底上げされます。

リフォーム＆後付けの実務ガイド

“やれる時にまとめてやる”がコスト最適化の基本です。工程の重複と共用復旧費を減らし、空室期間を短縮します。

10万円以下で効果絶大！内見時の印象を劇的に変える「プチ・リフォーム」

大規模なリノベーションをしなくても、数万円〜10万円程度の投資で「古臭い」という印象を払拭し、内見時の成約率を上げることは可能です。ポイントは「視覚的な清潔感」と「使い勝手」の向上です。

• 照明・ライト関係
  照明（ダウンライト・レール）古いシーリングライトを、レール照明やダウンライトに変更するだけで、部屋が一気にお洒落に見えます。ポイントは「電球色の統一」。温かみのある光で統一することで、写真映えが劇的に良くなります。
• 水栓関連
  シングルレバー水栓キッチンや洗面所が「2ハンドル（お湯と水が別々の蛇口）」だと、それだけで築古感が出てしまいます。これを「シングルレバー」に交換するだけで、古さを消し、使い勝手も向上します。
• 鏡など
  デザインミラー（鏡）洗面所の鏡を、収納付きや木枠付きの大きなものに変えるだけで、ホテルのような高級感を演出できます。

設備導入は「タイミング」が命！工事の難易度別ガイド

設備なら何でもすぐに導入できるわけではありません。工事の規模や難易度に合わせて、最適なタイミングで実施することで、無駄なコストと空室期間を抑えられます。

工事レベル	必要な作業	具体的な設備例	最適な実施タイミング
レベルA（易）	電源工事のみ	照明交換、モニターインターホン	退去後の原状回復時 クロス貼り替えと同時に実施がベスト。
レベルB（中）	電源 ＋ 配線	ネット無料（Wi-Fi）、宅配ボックス	設備の入れ替え時期 インターネット契約の更新時などに合わせて実施。
レベルC（難）	電源 ＋ 配管	追い焚き機能、洗面台の移設	大規模修繕時 壁や床を剥がす必要があるため、外壁塗装や配管更新とセットで実施。

導入後の「困った」を防ぐ！運用・管理の鉄則ルール

設備は入れて終わりではありません。入居者が快適に使えなければ、逆にクレームの原因になります。特にトラブルになりやすい3つの設備について、運用ルールを決めておきましょう。

「ネットが遅い」を防ぐ帯域管理

無料インターネットで最も多いクレームは「夜間に速度が遅くなる」ことです。

• 対策
  安さだけで業者を選ばず、「帯域監視（スピードのチェック）」を行っている業者を選びましょう。
• サポート
  「繋がらない」という問い合わせを24時間対応してくれるコールセンター付きのプランにすれば、オーナー様の手を煩わせません。

「宅配ボックスが空かない」を防ぐルール作り

宅配ボックスが荷物で埋まりっぱなしだと、結局使えずに不満が溜まります。

• 対策
  「48時間以上取り出しがない場合は管理会社が回収します」といったルールを明記し、ボックスにステッカーを貼りましょう。
• 防犯
  防犯カメラとセンサーライトをセットで設置し、イタズラや盗難を抑止します。

「故障で急な出費」を防ぐ保証契約

エアコンや給湯器は、忘れた頃に壊れます。突発的な出費はキャッシュフローを乱す原因です。

• 対策
  設置時に少し費用をプラスして「10年保証」などの長期保証に加入しておきましょう。
• メリット
  修理費が無料になるだけでなく、「すぐに直してくれる」という安心感が、入居者の満足度アップに繋がります。

物件タイプ別の設備最適化

構造や築年により、配線・防音・断熱の正解は変わります。無理のない仕様に落とすことで、コストと体感のバランスが整います。

木造／軽量鉄骨／RCで異なる配線・防音・結露対策

木造は遮音と結露、軽量鉄骨は縦配線経路、RCは電波減衰とダクト設計が重要です。先に“通り道”を決めてから機器選定を行うと、追加工事や手戻りを防げます。

築年帯（築浅／中築／築古）ごとの“効く投資”の違い

築浅は写真映えの微修繕、築10〜20年はネット幹線や水回り更新、築古は配管更新と断熱改修をまとめるのが効果的です。築年ごとに“費用の割に見た目が変わる”領域を狙いましょう。

構造別の注重点

構造	配線	防音	断熱・結露
木造	露出最小の経路計画	床・壁の対策	開口部の結露
軽量鉄骨	縦配線の確保	梁周りの伝播	外壁断熱の見直し
RC	電波減衰の対策	上下階の固体音	換気ダクト設計

補助金・税制・省エネ基準の把握

省エネ・防犯・通信は支援制度と相性が良い分野です。受付時期と要件を早めに確認し、設計前に適合性を判断すると、自己資金負担を抑えられます。

省エネ・IoT関連で使える可能性がある支援制度の見方

年度ごとに受付・要件が変動します。対象仕様や工期要件を逆算し、見積・発注の前に申請スケジュールを確定させると取りこぼしを防げます。

固定資産計上と減価償却のポイント（耐用年数の考え方）

機器は資産計上し耐用年数で償却、共用部は戸当たりで按分します。更新周期表と延長保証の管理を台帳化すれば、キャッシュフローが読みやすくなります。

主要支援制度の早見表（例）

制度名	対象	上限	受付時期	公式
子育てグリーン住宅支援	ZEH相当ほか新築・改修	最大〇〇万円/戸	年度枠	公式サイト参照

引用元：国土交通省

※制度要件は年度で変わるため、最新情報は必ず公式で確認してください。

【要注意】設備投資でやりがちな「3つの失敗」と回避策

良かれと思って導入した設備が、実は収益を圧迫したり、逆に入居者の不満を招いたりすることがあります。「お金をかけたのに失敗した」とならないよう、代表的な3つの失敗パターンと回避策を押さえておきましょう。

ターゲット不在の「全部盛り」

「あれもこれも」と最新設備を詰め込むのは危険です。建築費やリフォーム費用が膨れ上がるだけで、家賃の上昇幅が追いつかず、投資回収（ROI）が悪化します。

回避策

「誰に住んでほしいか」を明確にすること。単身学生なら「ネット＋宅配ボックス」、ファミリーなら「追い焚き＋システムキッチン」など、ターゲットにとって不要な設備は勇気を持って「入れない」判断が重要です。

「安さ」だけで選んだ無料インターネット

「とりあえず無料ならいいだろう」と安価な回線を導入するのは、クレームの種をまくようなものです。「夜になると遅くて動画が見られない」という不満は、現代において退去の主要因になります。

回避策

契約前に「帯域確保（最低速度の保証）」や「サポート体制」を確認すること。トラブル時にオーナーではなく、業者が直接入居者対応をしてくれるサービスを選ぶのが鉄則です。

事前調査不足による「工事不能」

機器を発注した後に、「配管が通らない」「電源が確保できない」と判明するケースが後を絶ちません。追加工事費が発生したり、最悪の場合は導入を断念せざるを得なくなります。

回避策

必ず施工前にプロによる現地調査（インスペクション）を入れること。特に築古物件やRC造（鉄筋コンクリート）の場合は、配線ルートの確保が難関になるため、事前の確認が不可欠です。

最後にこれだけは確認！失敗回避チェックリスト

• ターゲット（入居者層）にとって「本当に必要な設備」だけに絞り込めているか？
• 無料インターネットは、速度保証と24時間サポートが付いているか？
• 工事発注の前に、専門業者による「配管・配線ルート」の現地調査を行ったか？

導入ロードマップ（実行手順）

“誰に・何を・いつまでに”を決め、撮影と募集準備まで含めて一気に進めると、投資が成果に直結します。

実行ステップ

• 現状診断と競合調査
• ターゲット定義と家賃仮説
• 投資配分（必須→付加価値）決定
• 設計・発注・工程表の確定
• 撮影・募集クリエイティブ作成
• 公開・効果測定・次の改修へ反映

【まとめ】必須＋付加価値の“二段構え”で空室率を下げ、家賃を上げる

戦略は、必須の穴埋め→付加価値で差別化→運用設計で安定化の順番です。ネット高速化、宅配、ペット、趣味空間が2025年の鍵。年次点検で写真・訴求・運用を更新し、成果の再現性を高めましょう。

必須設備チェックリスト（単身／ファミリー）

• 単身
  エアコン／室内洗濯機置場／モニターインターホン／ネット無料／宅配ボックス
• ファミリー
  エアコン／独立洗面台／追い焚き／ネット無料／オートロック

付加価値設備の優先導入リスト（短期／中期／長期）

• 短期：ネット高速化・宅配ボックス・照明入替
• 中期：浴室乾燥・独立洗面台・システムキッチン
• 長期：ペット対応・ガレージ・断熱改修