新築アパート投資を成功させる鍵は、何よりも「エリア選定」にあります。しかし、土地や建築費が高騰する中で、どのエリアに未来の資産を託すべきか、多くの方が悩んでいるのではないでしょうか。本記事では、数々の物件を手がけてきたプロの視点から、東京・神奈川・埼玉・千葉における新築アパート投資の「おすすめエリア」と「注意すべきエリア」を徹底解説。表面的な利回りだけでなく、長期的な資産価値を最大化するための戦略と具体的なエリア名を、明確な根拠と共にお届けします。
【一目でわかる】首都圏エリア別 おすすめ&注意ポイント
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都県 | おすすめエリア(代表例) | 注意・非推奨エリア(特徴) |
東京 | 品川、大田区(京急本線沿い)、大森 | 都心から遠い路線の北側・末端部 |
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神奈川 | 川崎駅周辺、鶴見、横浜駅近接エリア | 坂道やバス便主体、極端な低利回り |
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埼玉 | 川口、浦和、大宮(東京直通ライン) | 超狭小住戸、郊外の低利回り物件 |
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千葉 | 市川、船橋、浦安(都心直結ライン) | 東京から遠い郊外、駅徒歩超過 |
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目次
結論:Rielが推す投資戦略とエリア軸
新築アパート投資で成功を収めるには、一貫した戦略を持つことが不可欠です。私たちが推奨するのは、以下の3つの軸をぶらさずに守ることです。これが、最も需要が厚い単身者層をターゲットとし、長期的に安定したキャッシュフローと資産価値の維持を両立させるための最適解と言えます。
- エリア軸: 駅徒歩10分以内
- 物件軸: 20㎡~25㎡の1K
- 判断軸: 「実質利回り」を最重視
土地・建築費が高騰してもエリアを広げない理由(資産価値・出口・融資の総合最適)
コスト高騰を理由に、安易に郊外へエリアを広げる選択は推奨しません。需要が確かな都心近接エリアを選ぶべき理由は、以下の3つの観点から総合的に最適化されているからです。
- 資産価値の維持: 需要が底堅く、価値が落ちにくい。
- 出口戦略の有利性: 将来の売却時に買い手が見つかりやすい。
- 金融機関からの高評価: 資産性が高いため、融資付けで有利に進められる。
初期投資を抑えられる郊外物件は一見魅力的に映りますが、空室リスクや家賃下落圧力に晒されやすく、結果的に収益性が悪化する恐れがあるため、総合的な判断が重要です。
目先の数字より「貸せる・売れる・融資」を軸に判断することが大切です!
「表面利回り」より「実質利回り」での判断が大事!
物件選びの際は、必ず「実質利回り」を基準に判断してください。広告で目にする表面利回りが、いかに実態と異なるか、以下のシミュレーションでご確認ください。
【比較】表面利回り6.0%物件の収支シミュレーション(年間)
項目 | 表面利回りでの計算 | 実質利回りでの計算 |
想定家賃収入 | 480万円 | 480万円 |
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空室損失(5%) | 考慮しない | ▲24万円 |
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実質的な家賃収入 | 480万円 | 456万円 |
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運営経費(管理費,修繕費,税金等) | 考慮しない | ▲96万円 |
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広告費・原状回復費 | 考慮しない | ▲20万円 |
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年間手残り(CF) | 480万円 | 340万円 |
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物件価格8,000万円に対する利回り | 表面利回り 6.0% | 実質利回り 4.25% |
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このように、あらゆる経費を織り込んだ実質利回りで、シビアに物件を評価することが不可欠なのです。
間取りと面積の鉄則(単身1K・20〜25㎡)/徒歩10分超は25〜26㎡なら例外検討
アパート経営において、間取りは単身者向け1K、面積は20〜25㎡が最も効率的です。このサイズは、主要ターゲットである単身者のニーズに合致し、家賃と建築コストのバランスに優れています。駅から少し離れる(徒歩10分超)場合は、25〜26㎡と少し広めに設定することで、住環境を重視する層に訴求でき、競争力を維持できるでしょう。
サブリース契約の注意点(実勢家賃の不透明化→出口価格毀損)
空室保証が魅力に見えるサブリース契約ですが、安易な利用には注意が必要です。特に以下のデメリットを理解しておく必要があります。
- 実勢家賃の不透明化: 実際の入居者が支払う家賃が分からず、物件の本当の収益力を見誤る。
- 出口価格の毀損: 将来売却する際、実勢家賃が不明なため金融機関や買主から低く評価され、売却価格が下がる。
- 保証家賃の見直しリスク: 定期的に保証家賃の見直しがあり、将来的に引き下げられる可能性がある。
【東京】新築アパート投資におすすめのエリア
東京でのアパート投資は、何よりも「賃貸需要の強さ」と「資産価値の安定性」が重要です。特に、品川や大田区といった都心や主要ターミナルへのアクセスが良好なエリアに投資対象を絞り込むべきでしょう。
おすすめエリア
- 京急本線・品川周辺(泉岳寺/高輪ゲートウェイ/品川)
再開発による将来性が極めて高く、最優先で検討すべきエリア。リニア中央新幹線の始発駅計画や、高輪ゲートウェイ駅を中心とした大規模なまちづくりが進行中で、今後さらなるビジネス・居住人口の増加が確実視されています。
- 品川区ベイサイド〜京急沿線(青物横丁/鮫洲/立会川/大井町)
都心アクセスと生活利便性を両立した、バランスの取れた優良エリア。活気のある商店街が充実しており、単身者が暮らしやすい環境です。
- 大田区・京急本線沿い(平和島/梅屋敷/雑色/京急蒲田/六郷土手)
品川・横浜・羽田空港へのアクセスに優れ、コストパフォーマンスが高い狙い目のエリア。初期投資を抑えつつ、安定リターンを狙う戦略に適しています。
- 大森エリア(大森/大森海岸/大井町周辺)
JR京浜東北線が利用でき、高い利便性と落ち着いた住環境で人気が安定している投資適格エリア。商業施設と住宅地のバランスが良好です。
引用:国土交通省「地価公示・都道府県地価調査」
注意/非推奨エリア 都内であっても、将来の資産価値や賃貸需要に懸念があるエリアへの投資は慎重になるべきです。
- 日暮里・舎人ライナー北側(西日暮里以北)
都心へのアクセスが単一路線に限定され、交通利便性で見劣りする。
- 柴又・京成金町線/北総線の一部(葛飾区)
都心へのアクセスに乗り換えが必須となるケースが多く、単身者からは敬遠されがち。
- つくばエクスプレス北側の一部(青井/六町)
交通の選択肢が少なく、将来的な供給過多のリスクがある。
- 小菅(東武スカイツリーライン): 各駅停車駅で、駅周辺に単身者向けの魅力的な施設が乏しい。
- 都営三田線北端(西高島平/新高島平/高島平)
都心までの所要時間が長く、単身者需要が限定的。
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【神奈川】(横浜・川崎)新築アパート投資におすすめのエリア
神奈川県で投資するなら、対象は横浜市と川崎市に絞り込むべきです。東京と比較して土地価格が手頃なエリアも多く、高い利回りと資産価値の維持を両立させやすいのが大きな魅力です。
おすすめエリア
- 川崎市ターミナル圏(川崎/京急川崎/八丁畷)
神奈川県内で最もポテンシャルの高い投資エリアの一つ。東京と横浜の需要を同時に取り込め、人口増加も著しいです。
- 大田区隣接の京急各停帯(平和島/梅屋敷/雑色/京急蒲田/六郷土手)
住所は東京都でありながら、川崎駅まで一駅という立地。都県を跨いだ厚い賃貸需要が存在します。(※東京都大田区ですが関連性が高いため再掲)
- 横浜市・鶴見〜神奈川エリア(京急鶴見/鶴見市場/花月総持寺/神奈川新町/東神奈川/反町)
横浜、川崎、品川のいずれにもアクセスしやすく、交通利便性とコストのバランスに優れた狙い目エリアです。
- 横浜駅近接・南部動線(黄金町/吉野町/南太田/平沼橋)
横浜駅まで数分でアクセスできる一方、駅周辺は落ち着いた住宅街。利便性と住環境を両立したい層に支持されています。
引用:川崎市「川崎市の人口(統計情報)」
注意/非推奨ポイント 神奈川県、特に横浜市は地形的な特徴から、以下のポイントに注意が必要です。
- バス便主体・坂/階段が多い立地
毎日の生活でストレスとなり、入居者から敬遠される最大の要因。
- 極端な低利回り(例:妙蓮寺徒歩圏で5%台前半)
人気住宅地で散見されるが、キャッシュフローが赤字に転落するリスクが高い。
- 斜面背面・騒音立地
災害リスクや騒音は、融資・賃料・出口戦略の全てに不利に働く。
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【埼玉】東京近接×直通アクセス重視のおすすめエリア
埼玉県で成功する鍵は「東京への直通アクセス」です。都心主要駅へ乗り換えなしでアクセスできる路線の駅周辺にエリアを絞り込むことで、東京のベッドタウン需要を確実に取り込めます。
おすすめエリア
- 川口〜赤羽隣接帯(川口/西川口/川口元郷)
埼玉県内で最も東京に近く、都心へのアクセスは抜群。生活利便性も非常に高く、単身者から絶大な人気を誇ります。
- 蕨・戸田(蕨/戸田公園/戸田)
京浜東北線と埼京線が利用でき、池袋・新宿・渋谷へも直通。コストパフォーマンスが高く、賃貸需要が底堅いのが特徴です。
- さいたま市・浦和ターミナル圏(浦和/北浦和/南浦和/武蔵浦和)
治安の良さと交通の利便性から高い人気を誇る文教地区。資産価値が落ちにくい、埼玉の鉄板エリアです。
- さいたま市・大宮エリア(大宮)
新幹線も停車する東日本の交通の要衝。地元での就業者需要も厚く、高い家賃設定でも入居者を見つけやすいです。
引用:さいたま市「さいたま市の人口・世帯(最新)」
注意/非推奨ポイント 埼玉県は魅力的な一方、以下のポイントを見誤ると失敗に繋がります。
- 所沢の超狭小住戸(12㎡級)など
居住性が著しく低く入居者が定着しないため、広告費や原状回復費がかさみ、実質利回りが悪化する。
- 郊外で表面6.5%台は割安感に見えて実質リスク高
将来の家賃下落リスクを吸収できず、収支が悪化しやすい(最低でも7.5〜8%が目安)。
- 3〜4戸の極小アパート
1戸の空室が収益に与えるインパクトが大きく、運営効率が悪い。
- 草加など遠郊外
家賃下落・空室率を都心近接エリアより厳しく査定し、保守的な事業計画を立てる必要がある。
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【千葉】都心直結ライン重視のおすすめエリア
千葉県で成功するには、JR総武線や東京メトロ東西線など、東京のビジネス中心地へ乗り換えなしでアクセスできる路線沿線に人気が集中します。
おすすめエリア
- 市川〜本八幡(市川/本八幡/市川真間)
千葉県内で最も東京に近く、都内に匹敵する利便性を持ちながらコストを抑えられる優良エリア。
- 浦安ベイエリア(浦安/新浦安)
大手町や日本橋まで直通。都心で働く単身者に絶大な支持を得ています。防災面の確認は必須。
- 船橋ターミナル圏(西船橋/船橋/東船橋)
複数の路線が乗り入れる交通のハブ。多方面への通勤者をターゲットにできるのが大きな強みです。
- 津田沼〜幕張副都心(津田沼/京成津田沼/海浜幕張)
活気のある学生街の側面と、近代的なビジネス街の側面を併せ持ち、それぞれのエリア特性に合わせた賃貸需要が存在します。
注意/非推奨ポイント 千葉県では「駅からの距離」と「都心までの所要時間」が生命線です。
- 東京から遠い郊外(例:柏など)
都心からの距離があるエリアは、景気変動時に家賃下落や空室率上昇の影響を受けやすい。出口戦略でも不利になる。
- 駅徒歩超過・バス便
単身者需要を大きく損なう。例外的に検討できるのは、完全なフラット動線で、かつ周辺の生活利便性が極めて高い場合に限られる。
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「京急本線」が強い理由
私たちが特におすすめエリアとして挙げる「京急本線」沿線には、明確な強みがあります。
- 圧倒的なアクセス力
品川・川崎・横浜・羽田空港を一本で結ぶ。
- 沿線の将来性
品川駅周辺の再開発をはじめ、街の価値を高めるプロジェクトが進行中。
- 物件の希少性
旺盛な単身者需要に対し、20㎡前後の新築物件の供給が少なく、競争力が高い。
再開発×空港×都心接続で、需給と出口戦略、ともに安定しています
【実践】エリア選定チェックリスト
良いエリア・物件を見極めるために、以下のステップで必ずチェックを行いましょう。
STEP
立地をチェックする
- 駅からの距離は徒歩10分以内か?
- 都心主要駅へのアクセス(乗換回数、所要時間)は良好か?
- 路線にブランドイメージはあるか?
STEP
環境をチェックする
- 駅から物件までの道のりに、急な坂や暗い道はないか?(フラット動線か?)
- 線路や幹線道路に面しておらず、騒音問題はないか?
- ハザードマップで浸水や土砂災害のリスクを確認したか?
STEP
市場性をチェックする
- 周辺の競合物件の実際の成約家賃はいくらか?(募集家賃との乖離は?)
- 想定される空室期間や、入居者募集に必要な広告費はどのくらいか?
STEP
将来性をチェックする
- 周辺で大規模な再開発計画はあるか?
- 将来の売却価格(キャップレート)の動向はどうか?
事例で学ぶ成功と失敗
成功と失敗の事例から、選定基準の重要性を学びましょう。
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比較項目 | 成功事例(横浜) | 失敗事例(埼玉) |
立地 | 横浜市内・人気路線・駅徒歩7分 | 埼玉県郊外・駅徒歩12分 |
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動線 | フラットアプローチ | – |
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面積 | 22㎡(1K) | 12㎡(超狭小1R) |
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利回り | 表面 6.8% / 実質 5.2% | 表面 6.5% / 実質 2.8% |
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結果 | 竣工後、継続して安定満室経営。資産価値も維持。 | 入居者が定着せず、空室と経費発生の悪循環で収支が悪化。 |
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この差は、まさにエリアと物件スペックの選定ミスに起因しています。
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よくある質問(Q&A)
- 東京と横浜・川崎の利回り差は?
-
一般的に土地価格の差から、横浜・川崎の方が東京より1%程度高い利回りを期待できます。
- 徒歩10分超の例外条件は?
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駅からの動線が完全にフラットで、物件周辺の生活利便性(スーパー、コンビニ等)が極めて高い場合に限り、例外的に検討の余地があります。
- サブリースは利用すべき?
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出口戦略での価格毀損リスクがあるため、慎重になるべきです。利用する場合は、契約内容を十分に理解し、リスクを許容できるか判断が必要です。
- 区分マンションと一棟アパート、どちらが良い?
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それぞれにメリット・デメリットがあります。資金計画に応じて、まずは区分マンションで実績を作り、その後一棟アパートへステップアップするというポートフォリオ戦略も有効です。
まとめ:成功へのロードマップ
新築アパート投資を成功に導くための要点を、最後に改めて確認しましょう。
- エリアを絞る
投資エリアは賃貸需要と資産価値が安定している「東京・横浜・川崎」に軸足を置く。
- 判断基準を持つ
広告上の表面利回りに惑わされず、あらゆる経費を織り込んだ「実質利回り」で厳しく精査する。
- 戦略を立てる
ご自身の資金計画やリスク許容度に合わせて、区分マンションと一棟アパートを組み合わせるなど、最適なポートフォリオを構築していく。